COMMENT

<血の繋がり>も『貧しさ』と『クスリ』の前では屁みたいなもんだ、という <現実>。
でも『家族への想い』と『夢』の前では<そんな現実>もクソみたいなもんだ、と信じたい。
頑張れ、トトとアンドレア。信じさせてくれ。

  春風亭 一之輔(落語家)

「これは現実なのだ」と突きつけ、痛みを感じさせる映像。
それでも子どもたちが負けないのは映画のルールだとしても苦しい。
だからこそ直視しなければ。

  松江哲明(ドキュメンタリー監督)

観ながらあなたは思うはずだ。どうやってこれほどに奇跡的なシーンが撮れたのかと。
それも一つや二つではない。もちろん僕も同様だ。
できることなら映画の中に分け入って、子供たちを抱きしめたい。

  森 達也(映画監督・作家)

負の連鎖から抜け出し、大事なものを失いながらも希望を見出そうとする子供たちの痛ましさ、たくましさ、美しさ。
弟のために強くなろうとするビターな14歳の姉アンドレアの最後の表情が忘れられない。

  山崎まどか(コラムニスト)

本作の姉弟たちは父なし、母は麻薬取引の科で服役中という状況の中で生きている。しかし親代わりのような「寄りかかる存在」は必要で、それは末っ子・トトにとってはすぐ上の姉・アンドレアとヒップホップ・ダンス、アンドレアにとっては自分自身とこの作品によって手にしたカメラ、そして長女のアナにとってはヘロインと誰かの親切心である。
そうした中での、まるでフィクションの映画のような彼、彼女たちの日常は、人の弱さ、強さ、嘘、真実を観る者にひりひりとつきつける。
ラストシーン、電車の中の母親に光と影が交互にあたるのは偶然にしては出来過ぎだ。

  青野賢一(BEAMS クリエイティブディレクター)

自分のことを好きになれない人、必見!
世界をさすらい、ルーマニアに根を張ったロマ(ジプシー)の生活を見るうち、彼らの境遇に寄り添う自分がいて、思わず涙が…。
どれだけ辛い生い立ちでも、人はよき出会いがあれば、いくらでも変わることができるのだ。米国の元大統領夫人、ミシェル・オバマの、たった4代前が、名も無きひとりの奴隷だったように。

  たかのてるこ(「ジプシーにようこそ!」著者・旅人・エッセイスト)

映画の後半で目にしたヒップホップ大会に出場したトト君。
万国共通のダンサーたる自信に満ちた少年の顔に彼はきっと力強い人生を進んで行くのだと心が熱くなります。

  佐々木恵美子(HHI JAPAN ヒップホップインターナショナルジャパン 代表)

ロマのある家庭の懐に潜入したカメラは、彼らの苦境を子供達の目線で映し出しながら、
人は変われるという儚い"希望"を描いた、ドラマのようなドキュメンタリー

  Variety

この素晴らしく、穏やかな観察眼が映し出す小さな幕間の出来事は、
私たちの身近にも潜む厳しい現実を、見る者の心に強烈に焼き付ける

  Hollywood Reporter

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